チンチャそれな?~K trend~のブログ

K-POP、ドラマを含め韓国全体的なトレンドを発信しているブログです。

Haruの分析:韓国の教育熱①~あるお笑いさんの韓国教育パロディ動画が社会現象になった理由~

日本ブログ村に参加中です
面白いと思っていただけたら、クリックして応援していただけると嬉しいです🥹🙏
韓国ドラマ・映画の最新トレンドを発信中🎬🩷
にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村
応援はこちら
クリックでランキングに1票入ります
Haruの分析:韓国の教育熱
  1. あるお笑いさんの韓国教育パロディ動画が社会現象になった理由
  2. 私教育ビジネスの躍進と影響
  3. 韓国の私教育を見せてくれるドラマ紹介

周りの日本人と話をしていると、韓国についていくつかの固定されたイメージがあることが分かります。その一つが「韓国は教育熱が高い」ということです。

韓国人の立場から見ると、日本も幼い頃から名門私立小学校、さらに名門幼稚園に入るため、激しい入試競争をするのを見ると、日本の教育熱も高いと思います。

しかし最近韓国で聞こえてくるニュースを見ると、「韓国はひどいな」と感じます。 そこで今回は韓国の教育熱について3回に分けて連載してみようと思います。

その第一回目は、最近、韓国の激しい教育現象をユーモラスにパロディし、話題を超え社会現象にまでなった映像についてお話しようと思います。

動画の背景になったテチドンはどこ?

最近韓国のコメディアン、イ・スジが自身のYouTubeチャンネル「핫이슈지(ホットイシュージ)」で公開した「ド千マム(도치맘、子どもの教育に熱心なママを呼ぶ言葉)」パロディ動画が話題になっています。

テチドンに集まっている塾の街

この動画は、ソウル・大峙洞(テチドン)の保護者たちの教育熱や私教育文化を風刺したコンテンツで、リアルな描写とユーモアで多くの関心を集めています。

テチドンは、ソウル江南区に位置する地域であり、韓国でも最も激しい教育熱を示しています。日本でも有名なドラマ『SKYキャッスル』もここで起きた出来事をモチーフにして作られたドラマです。

動画が話題になったせいか?あるブランドダウンコートが消えてしまった

2025年2月4日、イ・スジさんは自分のYouTubeチャンネルに「母という名前で」という動画を公開しました。この動画は、イ・スジは4歳の子供「ジェイミー」の母親である「イ・ソダム」役を演じ、高級ブランドのダウンジャケットやバッグを身に着け、子供の私教育に全力を尽くす姿がリアルに描かれています。


www.youtube.com

そして、公開から1週間で再生回数200万回を超え、現在では700万回以上の再生回数を記録しています。

ここでイ・スジはモンクレールのダウンコートを着て出てきましたが、このダウンコートはテチドンのママたちの代表的なファッションアイテムとしてよく知られています。

モンクレールのダウンコート

面白いのは、あるユーザーがコミュニティに「イ・スジのパロディ動画のせいなのか、テチドンにモンクレールのダウンコートを着たママが一人も見当たらない」と投稿し話題になりました。

実際にこの映像が話題になった後、ファッション中古サイトに多数のモンクレールのダウンコートがアップされるハプニングが起こりました。

おそらく、この映像が話題になった理由は、現在の大峙洞(テチドン)で起きていることが肯定的なイメージではなく、否定的なイメージが強かったからでしょう。

テチドンでは自然な姿、「塾ライディング(학원 라이딩)」は何?

以降2月25日には、第2の動画「母という名前で、ジェイミーママのスリリングなライディング」を公開。


www.youtube.com

公開から15時間で150万回再生され、急速に拡散しました。この動画では、イ・スジは毛皮のベストと高級バッグを持ち、ブランチを楽しみながら子供の先行学習や多様な私教育活動への情熱を表現しました。特に子供の中国語の発音に感嘆し、さらに言語教育を検討する様子を描いています。

ここでイ・ソダムさんは「塾ライディング」をしますが、これもテチドンでよく見られる現象です。「塾ライディング」とは、一人の学生が一日に複数の塾を巡回して授業を受ける現象で、自転車やバイク、車に乗って移動することを意味します。

これは、ソウル・カンナム区、ブンダンのような教育特区など、教育熱の高い地域でよく見かけますが、最近では「塾ライダー」を自称し、車で子供と一緒に通う親御さんが増えている傾向です。

ある俳優さんを狙って動画を作ったなのか?

だからでしょうか。今回の動画に対して一部のユーザーは、女優ハン・ガインを連想させると批判をしました。なぜかというと2月10日、ハン・ガインさんが自身のYouTubeチャンネルで「学習塾ライディング(送り迎え)」をテーマにした動画を公開したからです。この動画では、彼女が子供の塾送迎をする日常がリアルに描かれ、多くの関心を集めました。

物議を醸した女優ハン・ガインのライディング・スケジュール

彼女には9歳の娘がいるのですが、午前7時30分に登校させ、午後9時まで数学の塾から帰宅するまでの14時間に及ぶライディングの日課を公開しました。

これに多くのユーザーは、華やかな芸能人のイメージとは異なる、ハン・ガインの「普通の母親としての姿」に共感し、子供のために努力する姿を好意的に評価する意見も多くありました。

でも一部のユーザーは、イ・スジの「テチマム・パロディ動画」との類似性が指摘され、富裕層の教育熱を美化しているのではないかという批判もありました。これにより、ハン・ガインは該当の動画を非公開にしました。

韓国人も今の韓国教育熱がおかしいと思われている

映像が出るたびに物議を醸している、イ・スジのテチドンママのパロディ映像。それにもかかわらず、多くの人から好評を博している理由はなぜなのでしょうか。

  • 現実を反映した私教育文化の風刺

映像に登場するイ・ソダムの会話の中で、「最近は小学校入学前に、小6の過程まで終わらせないといけないんです」とか「中国語、英語、コーディングまで全部やらなきゃいけないのに、子供が大変そうですね...でも、どうしようもないですね」「子供は生後12ヶ月から英語を習わせる」など、現実でよく見られるシーンを巧みにパロディ化しているため、多くの人々が「自分の身近な現実だ」と感じ、共感とともに「さすがだ」と爽快感を味わいます。

  • 上流層母親の虚飾や競争心の皮肉

動画内ではブランドファッション、高級SUVなど、ラグジュアリーなアイテムが登場し、「子供を塾に通わせるのもママの能力」と言います。これに通じて、子供の教育が目的ではなく、ママ同士の競争がより重要なような様子を見せます。

そのため、教育の意味が薄れてしまった苦い現実を嘆き、負担に感じている人たちには、涼しげな笑いを提供しているのです。

  • 私教育に疲れた子供や保護者の代弁

過酷な私教育環境に追われる子供やその実情に悩む保護者は、このパロディを見て「自分たちの現実だ」と共感します。「こんな無理をしなくてもいいのでは?」という疑問をユーモラスに描き出すことで、視聴者は心の解放と同時に、皮肉交じりの笑いに救われる感覚を味わいます。

  • 「ありのままの姿」で良いというメッセージ

動画は、完璧さを追求するあまりに子供の幸せが二の次になっている現状を浮き彫りにしながら、「こんなに過剰な努力をしなくても十分だ」というメッセージを暗に伝えています。これにより、過剰な教育競争に疲弊している多くの人々にとって、共感と同時に「これでいいんだ」という解放感が生まれ、爽快感を感じさせます。

 

もし私が韓国にいたら、イ・スジの映像のようにあんな生活をしていたでしょうね。想像するだけで疲れます。(笑)

もちろん、日本でも子供に良い教育環境を作るためにいっぱい悩んで努力はしますが、今はもう少し広い世界をみせ、多くの経験をさせてあげたい気持ちがもっと大きいですね。

次のブログは、韓国の教育業界の新造語を通して、韓国の教育熱についてご紹介します。長い文章を読んでいただきありがとうございました。良い一日をお過ごしください。