
おすすめ:★★★★ (★5の中)
※ 少しネタバレがあります。映画をご覧になった方、または内容を知っていても構わない方のみ、お読みください。
2022年韓国Wavveにて先公開後、制定の問題でNetflixに版権が移り2025年3月、Netflixで公開され話題を呼んだドラマ『弱いヒーローclass1』。
後編である『弱いヒーローClass2』が、Netflixにて4月25日公開確定され、大きな関心が集まっていますね。
ということで、2年前に観た『弱いヒーローClass1』について感想を書いてみます。
基本情報
『弱いヒーローClass1』

韓国タイトル:『약한 영웅 Class 1』
原作: Naver webtoon 『弱いヒーロー』
OTT:Wavve(2022年) → Netflix(2025年~)
ジャンル:学園、アクション、青春
話数:全8話
監督:ユ・スミン
脚本:ユ・スミン、ハン・ジュニ
主演:パク・ジフン(元Wanna One)、チェ・ヒョヌク、ホン・ギョン、シン・スンホ ほか
初公開:2022年11月
Netflix公開日:2025年3月25日
主な受賞歴
- 2023年 百想芸術大賞 新人俳優賞(パク・ジフン)
- 2023年 アジアコンテンツアワード 作品賞・俳優賞
- 2023年 KBS演技大賞 新人賞(ホン・ギョン)
主な登場人物
👦ヨン・シウン(パク・ジフン)

IQ高めの秀才だが、体は弱いです。いつも冷静で感情を表に出さないが、頭脳と機転を活かして戦います。学校ではいじめの標的になるが、独自の戦術で加害者たちに立ち向かいます。アン・スホやオ・ボムソクと友情を深めるが、後半では大きな変化を迎えます。
👦アン・スホ(チェ・ヒョヌク)

運動神経抜群のケンカが強い高校生。見た目は乱暴者だが、義理堅く心優しい性格で、ヨン・シウンと仲良くなり、彼を守るようになります。家庭環境が複雑で、心の奥に孤独を抱えています。
👦オ・ボムソク(ホン・ギョン)

裕福な家の息子だが、臆病で自信がないため、前学校でいじめされました。転校生としてシウンとスホに出会い、初めての友情を感じますが、過去のトラウマや心の葛藤に苦しみ、物語が進むにつれて変化していきます。
チョン・ソンユン(シン・スンホ)
学校を牛耳る不良グループのリーダー。シウンたちに目をつけ、執拗に追い詰めます。権力と暴力を振るい、恐怖で人を支配する冷酷な性格です。
👦その他の登場人物
- ギル・スンウ(チャ・ウミン):ソンユンの仲間で、暴力的な性格です。
- イ・ジョンチャン(イ・ヨン):ボムソクの家庭教師であり、彼のメンタルに大きな影響を与えます。
- シウンの母(キム・スギョン):息子を愛しているが、仕事で忙しくあまり構ってあげられないです。
あらすじ
成績トップの優等生ヨン・シウンは、勉強だけが自分の武器だと思っていた。しかし、学校でのいじめや暴力がエスカレートする中、持ち前の知力と戦略で敵と対抗していく。彼は、力ではなく頭脳を駆使して闘う「弱いヒーロー」として成長していくが、友情や信頼を試される過酷な現実に直面する。
『弱いヒーローClass1』 海外・韓国評価指標(3月26日基準)
- NetflixのグローバルTV番組3位
- 日本・タイ・マレーシア1位、フィリピン・インドネシア・ブラジル2位、韓国・フランス3位、スペイン4位、アメリカ5位、カナダ 6位、ドイツ 8位、イタリア 10位など主要国では上位ランクイン
- NetflixのTo Doomサイトによれば、3月30日まで累計視聴数、670万回達成
- 非英語圏シリーズグローバルTOP10で2位ランクイン
- IMDB評価: ★8.5/10
個人的な感想
私はこのドラマを「サイダー(사이다, スカッとする)ドラマ」として知りました。また、『弱いヒーロー』というタイトルがミステリアスで、どのように物語が展開するのか全く予想できなかったため、興味を持って視聴しました。
しかし、正直に言うと最後まで観た後は少し残念な気持ちもありました。なぜなら、これはスカッとするドラマではなかったからです。
通常、スカッとするドラマは主人公が悪役を完全に倒し、正義が勝利します。しかし、この作品では主人公も傷つき、人間関係が壊れ、状況がどんどん悪化していきます。そして続編を意識したのか、スッキリしないまま終わりました。
<続編情報>
Netflixドラマ『#弱いヒーローClass2』が4月25日に公開!
— haru (@HaruKane97412) April 2, 2025
今回は、原作で多く愛された悪役「ナ・ぺクジン(#ペ・ナラ)」と「クム・ソンジェ(#イ・ジュニョン)」も登場する予定で、さらに関心が高まっています。
ついにクム・ソンジェ登場か!😆😆#パク・ジフンhttps://t.co/FBM8BnsHQu
それでも、心理的な緊張感やリアルなストーリー展開がとても良かったため、強く印象に残るドラマでした。
(1) 現実にいそうなキャラクター「オ・ボムソク」
オ・ボムソクは、現実にもいそうなキャラクターだったので特に注目して観ていました。
いじめの被害者だった彼が加害者へと変わっていく過程は、本当に衝撃的でした。なぜなら、現実でもいじめの被害者が加害者へと変わるケースが多いからです。
彼は同情できる部分もあれば、憎らしくもあり、とても複雑なキャラクターでした。
(2) 守るための暴力は正当なのか?
多くの人気を果たしたアン・スホは、戦うことでシウンやボムソクを守ろうとしました。しかし、結局は暴力に打ちのめされてしまいます。
そして、シウンがその光景を遠くから見守るしかなかった無力感が、とても強烈に描かれていました。
普通のドラマなら、主人公が奇跡的に助かる展開や逆転劇があるものですが、この作品ではそうした「ヒーロー的な要素」が一切なく、現実の冷酷さをそのまま描いていたことに驚きました。タイトルは「ヒーロー」なのに…
(3) 暴力の重み
このドラマは、暴力では何も解決できないということをはっきりと示しています。
シウンは、頭脳を駆使して自分の弱点を補い、多くの戦いに勝利します。しかし、状況は良くなるどころか、より多くの敵を生む結果となります。
特にラストシーンで彼の目つきが変わってしまったのを見たとき、「この戦いに本当の勝者はいるのだろうか?」と考えさせられました。
『弱いヒーロー Class 1』は、単なる学園アクションではなく、暴力のリアルな側面や人間の心理を深く描いた作品でした。
シーズン1はスカッとする展開はなかったですが、シーズン2は、原作でも多くの人気をもらったヴィランが出てくるので、原作とある程度同じ結末になるのではないかと思います。そうなるとサイダーを期待してもいいのかなと思います。
今日も長いレポート読んでいただきありがとうございます。
次は原作との違いについて語ろうと思っています。
続きもよろしくお願いします。