
最近、韓国と日本の関係がこれまでにないほど良好だというニュースを見かけました。
2024年には韓日間を行き来した人が初めて1,200万人を超え、過去最多を記録。
世論調査でも、韓国人の日本への好感度は44%、日本人の韓国への好感度は37%と、どちらも史上最高値となったそうです。
さらに、国際カップルも増加傾向にあり、韓国人男性と日本人女性の結婚は2015年以来最多の1,176件で、前年よりも40%も増加したとのこと。
このように、特にMZ世代を中心に韓日関係がより親密になっている様子が伺えます。
その証拠とも言えるように、最近の韓国では「日本発のミーム(ネットで流行するネタ)」が大ブームになっています。
韓国で話題の「나니가스키」って?
今、韓国のSNSで流行中なのが「나니가스키(何が好き)」というフレーズ。
日本の若者の間では以前から、韓国語と日本語を混ぜて使う「한본어(ハンボノ:韓本語)」が話題になっていましたが、最近の韓国でもこれに近い感覚で日本語を使う流れが生まれています。
実はこの「나나가스키」、日本のアイドルユニットAiScReamのデビュー曲『愛♡スクリ~ム!』の歌詞の一節なのです。
『ラブライブ!』から誕生した特別ユニット「AiScReam」

AiScReamは、日本の大人気アイドルプロジェクト『ラブライブ!』シリーズから誕生した特別ユニット。
異なるシリーズのキャラクターが集まり結成されたユニットで、名前には「愛」「アイスクリーム」「叫ぶ(I scream)」の意味が込められています。
可愛くてポップ、そしてちょっぴりユーモアのあるコンセプトが特徴です。
2025年1月22日に1stシングル『愛♡スクリ~ム!』をリリースし、TikTokを中心に日本で一気に注目を集めました。
楽曲は明るくキャッチーなアイドルポップで、
「ルビィちゃん、何が好き? チョコミントより君が好き♡」といった甘い告白が印象的。
この楽曲はオリコン週間シングルチャートで最高7位を記録するなど、商業的にも成功を収めました。
韓国では“ネタ化”からの大流行へ
この曲が韓国に広まり始めたのは、熱心な『ラブライブ!』ファンたちのおかげ。
日本のコミュニティに詳しい韓国のユーザーが翻訳した動画を、韓国の有名掲示板やSNSに投稿し始めました。
最初は「これ何www 本当に歌なの?」と半信半疑な反応が多かったのですが、キャラクター「ルビィ」の誇張された口調が韓国ユーザーの笑いのツボにハマり、K-POP映像と組み合わせたリミックス動画やミームが次々と生まれました。
すると徐々に「中毒性やばい」という声が増え、「ナニガスキ」をテーマにした投稿も急増。
そこにK-POPアイドルたちが「나니가스키 チャレンジ」としてTikTokやYouTube Shortsに動画をアップするようになり、ファンも真似することで完全に「ミーム」として定着していきました。
なんと政治の世界にも進出!?
さらに驚きなのは、この「나니가스키」が韓国の政治の世界にまで進出したことです。
現職の大統領が弾劾され、韓国では再び早期大統領選挙が行われることになりました。選挙戦が白熱する中、ある与党の大統領候補が「나니가스키」を使った動画をYouTube Shortsに投稿し、話題を集めたのです。
韓国の政治に少しでも関心がある方ならご存知かもしれませんが、韓国の選挙キャンペーンは本当に多様でユニークです。また、その時代のトレンドを一目で感じ取れる絶好の場でもあります。
今回の「나니가스키」登場も、その流行の一端を物語っていると言えるでしょう。ユーザーの反応は様々でしたが、「政治にまで進出した」という事実そのものが、このミームがどれほど浸透しているかを物語っているのではないでしょうか。
ミームが文化をつなぐ時代
現在「나니가스키」は、韓国だけでなく、インドネシア・フィリピン・タイ・ベトナムなど東南アジア各国でも人気のショートコンテンツとなっています。
やはり「文化」というものは、国境を越えて人々をつなぐ強力な力を持っているのだと、改めて感じさせてくれます。
皆さんはいかがでしょうか?
「나니가스키」にハマってしまった方もいらっしゃるのでは?(笑)
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。