
2023年、興味深いドラマが放送されました。Netflixで配信されている『今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~』です。
このドラマは、内科から精神科病棟に異動となった看護師チョン・ダウンが、患者たちと向き合いながら成長していく姿を描いたヒューマンドラマとなっています。
『今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~』(정신병동에도 아침이 와요) 基本情報
あらすじ

主人公のチョン・ダウン(パク・ボヨン)は、誠実で心優しい看護師。これまで内科で働いていたが、ある日突然、精神科病棟に異動となる。
精神科は彼女にとって未知の世界で、身体の治療を中心とする内科とは異なり、患者の心に寄り添うケアが求められる。最初は戸惑うことも多かった。
病棟には、躁うつ病、統合失調症、不安障害など、さまざまな精神疾患を抱えた患者たちが入院している。彼らは時に感情が激しく揺れ動き、ダウンはどう接するべきか悩む日々を送る。しかし、経験豊富な看護師長(イ・ジョンウン)や医師たちの助けも借りながら、少しずつ成長していく。
見どころ



(1)精神科病棟を舞台にしたリアルな描写
このドラマは、精神科病棟で働く看護師の視点から、患者との交流や医療現場のリアルな側面を描いています。精神疾患を持つ人々の日常や、彼らに寄り添う医療従事者の努力が温かみのあるストーリーとともに展開されます。
(2)メンタルヘルスへの理解を深めるテーマ
精神疾患に対する偏見や、患者が直面する社会的な課題について考えさせられる作品です。実際の精神科看護師の経験をもとにしており、リアリティのあるエピソードが視聴者の共感を呼びます。
(3)温かく心に響くストーリー
医療ドラマでありながら、重すぎず、むしろ温かく癒される要素が多いのも魅力。患者やスタッフとの触れ合いを通して、「心のケア」の大切さを感じられる作品です。
個人的な感想

最初は、ヒーリング(癒し系)ドラマということで観始めましたが、エピソードごとに深みがあり、共感できる内容が多く、12話を一気に見ました。
特に、 純粋な心を持ったダウンがある事件で突然うつ病になった姿は、あまりにもリアルでゾクゾクするほどでした。
また、精神科病棟に対するイメージも大きく変わりました。精神科病棟というと、精神がおかしい人がいる、怖い場所というイメージが強いですよね。
しかしこのドラマを観ると、精神科病棟の患者さんは変な人ではなく、私たちの周りでよく見かける人たちであり、私もいつ精神障害を抱えることになってもおかしくないと思いました。このドラマのエピソードは、私も経験した問題であり、これからも経験する可能性のある一般的なことでした。
精神障害の現状―韓国
実際、現代社会では精神障害に苦しむ人が増えているそうです。精神障害には様々な心理的・感情的な問題が含まれており、うつ病、不安障害、統合失調症などが含まれます。
メンタルヘルスは、生活や社会的機能に悪影響を及ぼすため、最近では身体健康と同じくらい重要な要素と考えられています。
韓国は過去10年間、精神障害患者の数が増加しています。

精神障害の生涯有病率は男性32.7%、女性22.9%、全体27.8%で、成人の4人に1人以上が精神保健問題を経験していることが分かりました。
特にうつ病と不安障害が最も多く、2016年から2021年まで患者数が急激に増加しました。
例えば、2016年にはうつ病患者が約77万7,781人でしたが、2020年には1,016,727人に増加しました。
最近、韓国芸能界でよく耳にする「パニック障害」の患者も増加しています。2017年には、約14万4,900人だったですが、2021年には21万1,100人に増加したことが分かりました(出典:健康保険審査評価院)。
精神障害の現状―日本
最近 日本でも精神障害の有病率が増加傾向にあります。

2025年1月、厚生労働省の発表によると、令和5年の精神疾患を有する総患者数は約603.0万人。平成14年は258.4万人だったので、約2.3倍増加したと思われます。
傷病分類別では、「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性 障害」、「その他の精神及び行動の障害」の順に多いです
「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」は156.6万人で平成14年68.5万人より、約88万人が増加しました。
精神疾患を抱える外来患者数は約576万4,000人です。

最も多い年齢は75歳以上の高齢者で136.5万人でした。ここで、目立つのが0~24歳若年層の増加率です。
平成14年には22.8万人でしたが、令和5年には83.7万人と約4倍の増加で、75歳以上の高齢者の増加率(約5倍)に次いで高いです。
精神障害が増加する要因
このように若年層の精神障害が増加している主な要因としては
1.激しい競争社会に対するストレスの増加です。これはうつ病や不安障害を引き起こします。
2.過去には、精神障害に対する拒否感で治療を拒否するケースが多かったが、現在は精神障害に対する理解が高まっています。
3.デジタル社会の発展により、個人の心理的な問題をより簡単に明らかにすることができる環境が造成されました。
だからこそ、『今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~』というドラマが生まれ、視聴者に多くの共感を得ることができたのでしょう。
今や身体健康だけでなく、メンタルヘルスも大切にする時代になっています。
皆さんも、心の健康を大切にしていきましょう!