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ただの遊園地じゃない。3歳児さえも虜にしたディズニーランドの「体験設計」戦略

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先日、娘が4歳になる直前に、東京ディズニーランドへ駆け込みで行ってきました。「幼児は3歳まで無料」と知ったのが最近だったため、ほぼノープランで駆け込み訪問することになりました。

3歳の子どもを連れてのお出かけがどれほど大変か、きっと多くの親御さんなら共感していただけると思います。

初めは心配も多かったのですが、想像以上にスムーズに楽しむことができました。平日だったことも幸いしたかもしれませんが、「私たちがうまく体力を温存できたからかな」と思っていたのですが、今にして思えば、それはディズニーランドならではの巧みな戦略に助けられたのではないか、と感じるのです。

「ディズニーランドは単なる遊園地ではない」

多くの人がそう言うように、ここはただアトラクションが集まっているだけの場所ではありません。ゲートをくぐった瞬間から、私たちは「体験」そのものを消費しているのです。

今回の記事では、この東京ディズニーランドを「ブランディング」という視点から分析してみたいと思います。

ブランドとしての一貫性と世界観の設計

ディズニーランドが単なるテーマパークを超え、「ブランド体験空間」として機能する最大の理由は、すべての要素に徹底した世界観が溶け込んでいるからです。

エントランスから各テーマランド、アトラクション、パーク内のBGM、レストラン、ギフトショップに至るまで、隅々まで「ディズニーらしさ」というブランドのアイデンティティが一貫して息づいています。

ただ可愛いテーマを被せたのではなく、「ディズニーの世界に入り込んだ」という感覚を乱さないディテールこそが核心なのです。

今回、娘が最も楽しんでいた「トゥーンタウン」と「イッツ・ア・スモールワールド」を例に挙げてみましょう。

(1) トゥーンタウン:子どもの目線に合わせて作られた世界

トゥーンタウン」は、主に子どもたちを対象としたエリアです。このエリアでは、意図的に直線を排した建物や標識が使われています。これは子どもの目線から見た世界を反映したもので、現実よりもアニメーションの世界に近づけた、非現実的なフォルムをあえて再現しているのです。

(2)イッツ・ア・スモールワールド: 平和、多様性、感情の繋がり

イッツ・ア・スモールワールド」は、ディズニーが追求する平和、多様性、感情の繋がりといったブランド哲学を最も象徴的に示す、文化的なメッセージが込められた空間です。

世界中の子どもたちが各国の伝統衣装を身にまとい、「It's a small world after all」という同じ歌を歌うという設定は、国籍、人種、言語を超えた人類の連帯感を可視化した、ディズニーならではの理想郷と言えるでしょう。

ディズニーは、ここであえて難解なメッセージを語るのではなく、むしろシンプルなメッセージを反復的に伝えることで、子どもも大人も「世界はひとつ」という感情に自然と溶け込めるように仕向けているのです。

しかし、何より娘が夢中になったのは、現在唯一日本のディズニーとコラボしているマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の「グルート」探しでした。最初は私と夫が興奮して探し始めましたが、いつの間にか娘まで真剣に探していたのは、ここだけの秘密です(笑)。このグルートとのコラボレーションは6月30日までだそうです。

ゲストの動線と体験設計の精巧さ

ディズニーランドを歩いていると、ひときわ「秩序立っている」という印象を受けます。人は多いのにどこか混雑しているとは感じにくく、長時間列に並んでもイライラしにくい構造になっています。これらすべては、ディズニーが徹底的に設計した動線計画と、体験フローを調整するシステムのおかげです。

最も代表的な例が、アトラクションの待機列(Qライン)です。

今回、最も長く待ったアトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」を例にお話しします。ここは待機スペース自体がひとつのショーのように演出されています。照明、音響、動くオブジェなどを活用し、「待つ時間」を「物語に没入する時間」へと変えているのです。

残念ながら平日で回転が速かったため、その演出空間をじっくりと満喫するには至りませんでしたが、週末のように3時間近く待つ場面でも、退屈することなく過ごせそうだと感じました。(ちなみに私たちは1時間しか待ちませんでした)。ちょうどその時間に娘が眠ってしまったのですが、待機中も演出された空間を眺めているうちに、時間が経つのを忘れてしまいました。

このようにディズニーは、ゲストが退屈したり疲れたりする感情を最小化するため、待ち時間さえも「体験」として再設計しているのです。

また、主要な動線には自然なカーブや広い広場が配置され、人の流れをスムーズに誘導します。トイレ、ベンチ、レストランの配置もすべて、「人がどのタイミングで疲れを感じるか」を計算した上で決められています。単なる空間設計を超え、人の心理的な流れまでをデザインしているのです。

感情に訴えかける演出

ディズニーランドを訪れて最初に感じるのは、心が浮き立つような独特の雰囲気です。これは単にアトラクションがあるからではなく、目に見えない無数の演出装置のおかげです。

例えば、エリアごとに異なるBGMが流れ、天候に関わらず特定の区画の匂い、温度、照明が一定に保たれるよう設計されています。こうした五感への刺激は、ゲストの感情線に深く作用し、記憶に残る体験を生み出します。

そして、最も感情的に強烈な瞬間はパレードでしょう。

私たち家族が最も楽しみにしていた、東京ディズニーランド40周年記念パレード『ディズニー・ハーモニー・イン・カラー』。午後1時に始まるこのパレードは非常に人気が高いため、事前に前方の場所を確保するのがおすすめです。私たちも入場してすぐに場所を取り、夫が場所取りをしている間に、私と娘はアトラクションに乗ってディズニーを楽しみました。

このパレードは「色あざやかな、ハーモニーの世界へ」というテーマのもと、ディズニーやピクサーのキャラクターたちが登場するカラフルなフロート(山車)で構成されています。

注目すべきは、色彩の戦略的な活用です。ディズニーは単に「色とりどり」のステージを作るわけではありません。

例えば、『リメンバー・ミー』のセクションでは温かみのあるオレンジ色が記憶と家族の情を呼び起こし、『ベイマックス』のセクションではメタリックなトーンと躍動的な照明が「科学技術と友情」を象徴的に表現します。照明と色の組み合わせは、文字通り感情のスイッチを入れる役割を果たしているのです。

 

音楽もまた緻密です。テーマソング「


www.youtube.com

」はキャッチーなメロディーで、パレードが終わった後も頭の中を巡ります。この曲が流れ出した瞬間、娘は興奮を隠せずに踊り出すほどでした。キャラクターやテーマごとに用意されたBGMは、感情の波を自然に導いてくれます。視覚と聴覚が完璧に連動した演出で没入感を高めます。

東京ディズニーランド」ならではのブランディング戦略

世界に数あるディズニーランドの中でも、東京ディズニーランドは特別な成功事例として頻繁に挙げられます。その理由は単に立地の利点だけでなく「日本のおもてなし文化」と「ディズニーの哲学」が高い次元で融合しているからこそ、と言えるでしょう。

日本特有の丁寧さ、清潔さ、おもてなしの精神は、ディズニーブランドと対立することなく、むしろ相乗効果を生み出しています。だからこそ、あれだけ広大な敷地を歩いてもゴミは落ちておらず、危険な要素もありません。キャスト(従業員)は誰もが親切で、笑顔で子どもたちの夢を守ってくれます。これはディズニーの「クリーンで夢のある国」というイメージと正確に一致します。

また、日本のゲストは設定やルールを心から尊重する傾向があります。例えば、パレード中にキャラクターが特定のリアクションを求めると、ゲストは積極的に参加しつつも、その世界観を壊さないように努めます。

ディズニーの世界観を“現実”として心から信じてくれる観客がいる——それこそが東京ディズニーランドの強さです。

 

今回は少し視点を変えて、ディズニーランドを「ブランディング」というテーマで眺めてみました。単なるテーマパークではなく、ブランド戦略の集合体として見てみるのも、なかなか興味深いのではないでしょうか?

皆さんはディズニーランドで、どんな瞬間に「ブランドの力」を感じましたか?