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映画『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』レビュー:K-POPの魅力が爆発する新感覚アニメーション

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※ ネタバレを若干含みます。映画を既にご覧になった方、または内容を知っていても構わないという方のみお読みください。

 

K‑POPはもはや音楽の枠にとどまらず、映画やアニメーションを含む多様なメディアへと進出しています。そしてその最前線に立つのが、Netflixアニメーション映画 『K‑POP Demon Hunters(KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ)』 です。

この作品では「昼はK‑POPアイドル、夜は悪魔ハンター」というユニークな二重生活の設定を基盤に、パフォーマンスと迫力あるアクション、さらに感動の成長ストーリーが見事に融合されています。

制作チームは『スパイダーマン:スパイダーバース』などの大ヒット作で知られるSony Pictures Animationが行い、アニメーション制作はSony Pictures Imageworksが担当。両社の強みを生かした独創的なビジュアルが特徴です。


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またOSTには TWICEのジョンヨン・ジヒョ・チェヨン、プロデューサーとして Teddy Park、KUSH、Jenna Andrewsらが参加し、本格的なK‑POPサウンドを実現。アニメながら“K‑POPらしさ”を持つ“本物のK‑POPアニメ”と呼ぶにふさわしい品質です。

公開前には「本当に韓国文化を尊重しているのか?」という慎重な声もありましたが、実際の反応ではそうした懸念はすぐに払しょくされました。公開翌日の6月21日には米国Netflixで“Top 10映画”の第1位を獲得し、批評家やファンからも高評価が相次いでいます 。

映画『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』基本情報

  • 韓国タイトル : 케이팝 데몬 헌터스
  • 英語タイトル : K-pop Demon Hunters
  • 公開日 : 2025年6月20日
  • ジャンル : アニメーション / ファンタジー / アクション / ミュージカル
  • 上映時間 : 100分
  • 制作会社 : Sony Pictures Animation / Netflix
  • 監督 : マギー・カン (Maggie Kang), クリス・アッペルハンス (Chris Appelhans)
  • 脚本 : ダニャ・ヒメネス, ハンナ・マクミカン ほか
  • <出演>

―アメリカ:アーデン・チョー、メイ・ホン、ユ・ジヨン、ダニー・チョン、アラン・リー、ジョエル・キム・ブースター、キム・ユンジン、ケン・チョン、イ・ビョンホンほか

―韓国:シン・ナリ、キム・ドヨン、キム・イェリム、アン・ヒョソプ、ミン・スンウ、チョ・ソンウォン、イ・ヒョン、イム・チェビン、チェ・ヒョンシク、チョン・スクギョン、イ・サンホ、イ・ビョンホンほか

―日本:寿美菜子、田村睦心、渡谷美帆、石川界人、樋口あかり、虎島貴明、土田大 ほか

あらすじ

主人公は3人組K-POPグループHuntrix。昼はステージで輝くアイドル、夜は世界の悪魔と戦う秘密のハンター。

古来、精神に響く真の歌声によって生まれるバリア「Honmoon」が悪魔から人類を守ってくる。Huntrixはその伝統を継ぐが、リーダーのルミは「半悪魔」であることが原因で、自身の歌声に制限を感じる。

そんな中、5人組ボーイバンドSaja Boys(サジャボーイズ)が登場。彼らは悪魔に操られ、コンサートでファンの魂エネルギーを吸収することで、Honmoonを壊し、悪魔王・グィーマを復活させようとする。

主な登場人物

<Huntrix>ルミ (Rumi): アーデン・チョー/ シン・ナリ/ 寿美菜子

ハンターとして訓練されてきたリーダーであり、実は悪魔の血統を一部受け継ぐ人物。幼い頃に両親を失ったトラウマと、自身を信じられない不安の中で、本当の自分の声を見つけようと努力します。感情が高まるほど声が不安定になり、これは彼女のアイデンティティに直接的な影響を与えます。

<Huntrix>ミラ (Mira): メイ・ホン / キム・ドヨン / 田村睦心

チーム内で最も理性的で、強い責任感を持つベースボーカル。家のお荷物だったミラは、成長後セリーヌの指導のもと悪霊を退治するハンターであり、アイドルグループHuntrixのメンバーに選ばれます。表向きは冷静に見えますが、実は誰よりもチームを心配し、リーダーを支える人物です。

<Huntrix>ジョイ (Zoey):ユ・ジヨン / キム・イェリム / 渡谷美帆

自由な感性と創造性が際立つラッパー。感情表現に率直で真っ直ぐな性格です。アメリカのカリフォルニア州バーバンク出身の韓国系アメリカ人で、韓国とアメリカ、両方のアイデンティティの間で葛藤します。

 

<Saja Boyz>ジヌ (Jinu):アン・ヒョソプ / ミン・スンウ / 石川界人

完璧なアイドルですが、実際は悪魔の力を持つ「サジャボーイズ」のリーダーです。約400年前、朝鮮時代の貧しい家庭に生まれ、古びた琵琶で路上演奏をしていましたが、何の成果も得られませんでした。挫折した彼に、グィマが近づき、助けを得れば家族を助けられると誘惑し、グィマの奴隷となります。

<Saja Boyz>アビー (Abby):チョ・ソンウォン / イ・ヒョン

シックスパックを持つ典型的な筋肉質メンバー。ファンサイン会では、なんと腹筋に紙を当ててサインをしてくれます。本人も腹筋が注目を集めることをよく知っています。

<Saja Boyz>ベイビー (Baby):ダニー・チョン

典型的な中性的な美少年メンバー。常に憂いを帯びた表情をしており、特技は辛いものを食べること。可愛らしく幼い顔立ちとは対照的な中低音のボイスで、パートはラップです。

<Saja Boyz>ミステリー (Mystery):アラン・リー / イム・チェビン

名前にふさわしく、顔を隠すヘアスタイルのメンバー。初めてアイドルに変身する際、長く尖った歯がイヤリングに姿を変えます。サイン会でファンに向かって唸っていた様子から、本体は獣系の死神と推測されます。素顔はジョイのタイプだったとか。

<Saja Boyz>ロマンス (Romance):ジョエル・キム・ブースター / チェ・ヒョンシク

5対5のピンク色の分け目ヘアをしている、名前通りに甘い雰囲気の美青年メンバー。

セリーヌ (Celine):キム・ユンジン / チョン・スクギョン / 樋口あかり

ルミの養育者であり、伝説的なハンター。ハンターだった同僚の娘であるルミを引き取って育てました。「善と悪は分けるべきだ」という白黒思考に囚われており、ルミの半悪魔としての正体を隠そうとしますが、物語の展開を通じて徐々に彼女に心からの母親として寄り添っていきます。

ボビー (Bobby):ケン・チョン / イ・サンホ / 虎島貴明

ハントリックスのマネージャー。マネージャーですが、3人がデーモンハンターであることは知りません。ハントリックスの舞台活動に非常に情熱的で、積極的にサポートしてくれます。ハンターである3人が突然姿を消したり、遅れたり、ライブが中止になったりするトラブルが発生しても、小言を言うどころか、自ら後始末をしようとするなど、理想的なマネージャーそのものです。

グィマ (Gwi Ma):イ・ビョンホン / 土田大

冥界の支配者であり、真の最終ボス。かつては人間の魂を喰らい、魔王として世界を恐怖に陥れた存在でしたが、退魔師たちの活躍により徐々に魂を喰らえなくなり、魂の灯火の姿で弱体化したと言われています。これに対し、退魔師たちを排除しようとしていましたが、自身の配下であるジヌを筆頭とする死神5人組が戦略を変え、同じアイドルとして対峙すべきだと提案すると、これを受け入れます。

主な受賞歴・評価 (6月23日時点)

  • 公開直後、韓国はもちろん、アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、香港、インド、イタリア、日本、メキシコなど26カ国で1位を獲得。
  • フリックスパトロール ワールドランキング: 1位
  • IMDb評価: ★7.9/10
  • Rotten Tomatoes: 批評家スコア94% / 観客スコア95%

OSTおよび制作秘話

(1) K-POPの長所を最大限に活かしたアニメーション

『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』は「K-POP」を掲げているだけあり、サウンドトラックにも並々ならぬこだわりが感じられます。実際にTWICEのジョンヨン、ジヒョ、チェヨンが直接ボーカルとして参加した楽曲「TAKEDOWN(끌어내려)」は、映画の感情線を牽引する中心的なテーマ曲です。


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それだけでなく、K-POPを代表するプロデューサーであるTEDDY Park、KUSH、Jenna AndrewsらがOST制作に参加し、単なるアニメーション挿入歌以上の完成度を誇っています。

サウンド面ではエレクトロポップ、バラード、ヒップホップ、EDMなど多様なジャンルがバランス良くミックスされており、単に「K-POP」という枠に収まらない幅広いスペクトラムを見せています。

(2) 演出も最高の評価

アニメーションの演出においても、『スパイダーバース』から影響を受けたようなダイナミックなカット構成とスタイリッシュな色使い、そして群舞シーンのカメラワークまで、その完成度は非常に高いです。

特に監督たちが「ダンスと音楽のシンクロを合わせるのが地獄のようだった」と表現するほど、キャラクターたちの動きとリズムのシンクロ率に途方もない努力が注がれている点が印象的です。

これは単なるアニメーションを超え、一つの「K-POPミュージックビデオ世界観」のように感じさせます。制作会社ソニー・ピクチャーズ・アニメーション側は、この作品を「コンサート、アクション、叙事、ドラマを同時に盛り込んだ複合ジャンルアニメ」と定義しており、その戦略は非常に成功したと評価されています。

個人的な感想

(1) K-POPコンサートを観ているような感覚

K-POPをテーマにしているだけあって、劇中にはK-POP風のOSTが満載です。特に、中間でオリジナルのOSTだけでなく、DEUXの「私を振り返って」、EXOの「Love Me Right」、TWICEの「Strategy」などが挿入されており、既存のK-POPファンにも大きな喜びを与えてくれます。


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中でも、サジャボーイズの「Soda Rap (ソダレプ)」は公開されるやいなやファンたちの耳を捉えました。「Soda Rap」は、明るくポップなEDMサウンドをベースに、リズミカルなラップと中毒性のあるメロディが特徴の楽曲です。

歌詞は、日常の鬱憤や悩みを「ソーダ」のようにスカッと吹き飛ばし、解放感と自由を歌い上げています。まさに彼らが悪魔であるにも関わらず、ファンを魅了するような爽快感と中毒性を持つ楽曲と言えるでしょう。

(2) 韓国要素が満載のアニメーション

ファンが最も懸念していた部分の一つが、グローバルアニメーション、そして海外制作会社という点で、韓国の要素がどの程度取り入れられ、どの程度歪められるかという点でした。しかし、その心配は完全に払拭されました。

キムパプ、サムゲタン、漢方薬、韓国のカップラーメンなど、韓国の食べ物が数多く登場し、ソウルの風景もリアルに描かれています。特に、虎とカササギは韓国の民話を巧みに生かして描かれていると評価されています。

(3) 世界中のK-POPファンを尊重したアニメーション

単にK-POPを借りてきたのではなく、世界中のK-POPファンにとってK-POPがどのような存在なのかをよく示しています。ファンによるアイドルへの尊敬や愛情、そしてアイドルがファンを大切にする心が悪を打ち破る力となることを描くことで、彼らの嗜好を尊重し、意義を与えています。

また、シンクロダンス、ファンサイン会、応援現場、先輩後輩関係など、K-POP産業現場の考証が非常に丁寧に行われており、K-POPファンには馴染み深さを、K-POPファンでない人々には新鮮さを提供してくれます。

(4) ルミとジヌの物語の深さ

予想外にもロマンスのような雰囲気を演出していました。特にルミとジヌは「悪魔」という共通点を持っており、敵でありながらも互いに惹かれ、慰め合う姿は、K-ドラマを好む人々にも十分にアピールできる部分だったでしょう。

果たしてシーズン2は制作されるのか?

視聴者やファンの間では「これは始まりに過ぎない」という反応が多く見られます。主人公ルミのアイデンティティと彼女の両親にまつわる未解決の伏線、そしてエンディングに残された余韻がその理由です。シーズン2が制作されるべきいくつかの理由をまとめました。

(1) ルミの血統のミステリー

ルミの母親はハンターでしたが、父親は悪魔でした。映画の終盤で彼女は自身の血統と向き合い、そのアイデンティティを完全に受け入れましたが、両親の過去と関係についてはまだ謎が残されています。

彼女の父親(悪魔)の正体と、ルミがこれからどう生きていくのかについて余韻を残しました。

(2) ルミとセリーヌの関係回復の未完

セリーヌはルミが半悪魔であることを隠そうとし、すべてを明かしたがっていたルミを傷つけました。映画は二人の関係回復が完全に達成されないまま終わり、「母娘の和解」という物語としてさらに広がる余地が大きいです。

(3) ジヌの生存および役割の変化

クライマックスでジヌはルミのために自身を犠牲にしますが、映画の説明によるとまだ「生きている」というニュアンスがあり、正確な結末が曖昧です。彼が生き残り、新たな敵、あるいは同盟者となる可能性も残されています。

(4) ハンターと悪魔の世界観の拡張

サジャボーイズ以外にも様々な悪魔の勢力が潜在的に残っており、魂門(Honmoon)を再び脅かす可能性が存在します。物語の中で他の悪魔組織やハンターグループが登場する可能性も、制作会社がスケールを拡大する余地を示しています。

(5) ファンダムの強力な要求

インディアタイムズは「ファンがすでに続編・スピンオフ・シリーズの拡大を要求している」と報じており、SNSにも「これは始まりに過ぎない」「シーズン2必須」などのコメントが溢れています。実際に「ルミとセリーヌの関係、ジヌの生存」といった伏線を中心に、ファンからの要求は爆発的です。

 

映画の結末は、ルミが半悪魔である事実を受け入れて幕を閉じましたが、両親の真実、セリーヌとの感情的な和解、そしてジヌの生死は明確に描かれていません。

これに魂門の世界観の拡張の可能性が加わり、ファンはすでにシーズン2、特にジヌとルミの関係の進展、そしてルミとセリーヌの母娘の和解という物語を強く求めている状況です。私自身も同じ気持ちです。

制作会社側からの公式発表はありませんが、これらの伏線とファンダムの熱気を考慮すると、続編制作の可能性は大いにあるのではないでしょうか。今後の続報に期待が高まります。

 

 

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