おすすめ:★★★★ (★5つ中)
※ ネタバレを若干含みます。ドラマをすでにご覧になった方、または内容を知っていても構わないという方のみお読みください。
- ※ ネタバレを若干含みます。ドラマをすでにご覧になった方、または内容を知っていても構わないという方のみお読みください。
- 日本版の独自な脚色に対する感想
- 韓国版 vs. 日本版の主な違い:プロットおよびキャラクター編
- キャラクターの運命と動機に関する重大な変更点

ついに多くの方が待ち望んでいた日本版ドラマ『私の夫と結婚して』が大団円を迎えました。
このドラマは放送中、Amazonプライム・ビデオで常に1位をキープし、その熱い人気を証明しました。
現在は韓国でも放送中であり、韓国の視聴者の間でも引き続き好評を得ていることから、日本版がどれほど原作の魅力を生かしながらも独自の色を加えたのか、気になる方が多いのではないでしょうか。
今回は、日本版『私の夫と結婚して』の全体的な感想と韓国版との違いを中心に、深く掘り下げていきたいと思います。
ちなみに、日本版『私の夫と結婚して』の基本情報や制作発表会については、以下のリンクをご覧ください。👇
日本版の独自な脚色に対する感想

日本の視聴者の間では、このドラマに対する好評が止まりません。
全体的な感想としては「とても面白い」「中毒性がある」という評価が多く、日本の主要な映画・ドラマレビューサイトであるFilmarksでは、3900件以上のレビューを通じて平均5点満点中3.9点という高評価を記録し、その人気を実感させました。
私自身も毎週次の話を心待ちにしながら没頭して視聴していましたが、その理由をこれから詳しく見ていきましょう。
「復讐」から「成長」へ

韓国版『私の夫と結婚して』が「復讐」に焦点を当て、視聴者に爽快感を連続で与えていたのに対し、日本版は所々に復讐によるカタルシスを描きつつも、主人公ミサの「成長」により重点を置いていたと感じました。
それを最もよく表しているのが、ミサとレイナの関係です。韓国版ではレイナの役割であるチョン・スミンは死なず、無期懲役として生き続け、皆に無視される底辺の人生を歩むことで物語が終わります。その過程でカン・ジウォン(日本版のミサ)は最後までスミンと戦い、勝利を手にします。

しかし日本版では、ミサはトモヤやレイナによって大きな苦しみを受けたにもかかわらず、彼らの「死」を望んではいませんでした。レイナを助ける姿まで見せており、やや衝撃的でもありました。
このような場面は日本版の「オリジナル」であり、主人公が究極的な破壊を目指すのではなく、トラウマを乗り越え、自らを回復していく旅路に焦点を当てていることがわかります。つまり、人間関係と成長に焦点を当てようとする日本版の意図を明確に示す場面だったと思います。

一方、韓国版は原作の意図と性格を活かすために脚色され、最近の「サイダー(スカッと)ドラマ」に熱狂している視聴者のためにも、「成長」よりも「復讐」に重点を置いていたと思います。
どちらも視聴者に大きな楽しさを提供しましたが、脚色の方向性において明確な違いがありました。
制作環境に合わせたキャラクターの再構成

また、「オ・ユラ」キャラクターの削除は非常に優れた選択だったと思います。韓国版は16話構成だったためオ・ユラのストーリーを扱うことができましたが、日本版は10話構成であったため、ヴィランをトモヤとレイナのペアに絞ったことがむしろプラスに働いたと思います。

オ・ユラ&ユ・ヒウォン(日本版のミク役)ストーリーもカン・ジウォン&チョン・スミンの関係に劣らない深みを持ち、フラストレーションとカタルシスを与えるため、10話内でこのストーリーまで扱っていたら、ミサとレイナの物語を十分に描ききれなかったのではないかというのが個人的な意見です。
やはりこうした構成は監督と脚本家の力量によるものではないでしょうか。
出演俳優たちの再評価

俳優陣の演技も見逃せません。
佐藤健さんは韓国でも有名な俳優であり、彼の演技には信頼がありましたが、他の俳優たちの演技にも注目しました。
特に白石聖さんと横山裕さんの演技に対して高評価が寄せられたと聞いていますが、私もまったく同意見です。
白石聖さんはこれまで静かなイメージが強かったのですが、このドラマを通じて悪役を見事に演じ、驚かされました。彼女にとっても俳優人生の転機になったのではないかと思います。
韓国版 vs. 日本版の主な違い:プロットおよびキャラクター編
日本版『私の夫と結婚して』は、原作の大枠を維持しながらも、日本の視聴者の情緒に合わせて様々な脚色がなされました。主な違いをプロットとキャラクターの観点から整理すると以下の通りです。
| 項目 |
原作 (韓ウェブ小説) |
韓国ドラマ版 | 日本ドラマ版 |
|---|---|---|---|
| 会社の種類 | 食品会社 | 同上 | デザート会社、ワタルは別部署所属 |
| キャラクターの出身地 | 釜山(ジウォン、スミン、ウンホ) | 同上 | 富山県(ミサ、レイナ、タナベ) |
| ミサの外見 | 初期はメガネ、入院時は坊主+帽子 | 原作とほぼ同じ | メガネなし、入院時の描写も異なる |
| 象徴的な動物 | 野良猫(カップルの縁を象徴) | 同上 | 亀に変更(別の意味を付加) |
| 風景描写 | 桜並木が続く帰宅シーン | 同上 | 紅葉から始まり四季を通して描写 |
| トモヤの母親 | 専業主婦 | 同上 | 保険会社勤務 |
| ミサの祖母 | 大学時代に死亡 | 同上 | 認知症で存命 |
| スミヨシ(ヤン・ジュラン) | 夫と離婚 | 離婚+新たな恋愛線あり(イ・ジュンソク) | 離婚+夫が責任を果たす描写、新恋愛線は削除 |
| ミサの職業 | 育児に専念 | 財団理事長 |
会社を辞めて和菓子店の店主に転職 |
キャラクターの運命と動機に関する重大な変更点
最大の違いはキャラクターの運命とその動機に関する脚色です。
| 項目 |
原作 (韓ウェブ小説) |
韓国ドラマ版 | 日本ドラマ版 |
|---|---|---|---|
| ミサの死 | ドレッサーに頭を打って死亡 | 同上 | マンションの廊下から転落死、レイナが直接関与 |
| レイナの憎悪と背景 | 詳細な描写なし | 同上 | 回帰前から憎悪、「歪んだ愛」と依存が強調。母の自殺も追加設定 |
| オ・ユラのキャラクター | 登場せず | 最終ヴィランとして登場 | 削除され、悪役構造を簡素化 |
| トモヤの死 | 車の事故(詳細不明) | 同上 | レイナが保険金目的で操作、死の直前にミサへ音声メッセージ |
| レイナの運命 | 不明(登場しない) | 無期懲役で服役 | 観覧車から転落死。「業報」や「因果応報」を象徴的に描写 |
| トミタ(課長)の役割 | 左遷 | 更生して味方に | レイナの協力者となり、道徳的立場が変化 |
韓国版『私の夫と結婚して』が韓国でも日本でも大ヒットしたことから、日本でも一定のヒットは予想していました。しかし、これほどまでに熱い反応と高い完成度を見せるとは思っていませんでした。

原作の魅力を損なうことなく、日本の視聴者の情緒やドラマのテンポに合わせた大胆な脚色に挑戦した制作陣の力量が光った結果だと思います。
「復讐」というキーワードに「成長」というメッセージを加え、より豊かな物語を作り出した日本版『私の夫と結婚して』は、間違いなく成功したリメイク作品として記憶に残るでしょう。
まだご覧になっていない方は、ぜひ一度観てみることをおすすめします!