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『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』大ヒットの理由とは?OST・Netflixデータ徹底分析【前編】

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『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』(以下、ケデハン)は、近年世界的に大きな注目を集めている作品です。

 

hallyutoki.hatenablog.com

 

日本ではシンドロームというほどではありませんが、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなどでは「狂気」と呼ばれるほどのブームを巻き起こしており、韓国でも毎週関連ニュースが届くほど大人気となっています。
単なる映画のヒットを超えて、OST・グッズ・観光まで連動した文化現象へと発展しており、一部ではディズニーアニメ『アナと雪の女王』を凌駕したという評価まで出ています。

ケデハンOST、ビルボードで新たな歴史を刻む

ケデハンの人気の秘密の一つはOSTにあります。

子どもだけでなく親世代まで魅了しており、ニューヨークタイムズはディズニー『アナ雪』と比較できるほどと絶賛しました。
ビルボードの成績を見ればその規模がわかります。(9月2日時点)

  • Golden:Hot 100 第1位
  • Your Idol:第4位
  • Soda Pop:第5位
  • How it’s Done:第10位

特にタイトル曲「Golden」は2週以上1位を維持し、9月中旬まで無難に1位を維持できると予測されています。

また、1作品からOST4曲が同時にトップ10入りするのは史上初の記録です。
さらに8月末にアメリカで行われたシングアロング上映は全席完売、観客数1位を記録するなど話題を集めました。

Netflix記録とグローバル人気

ケデハンは映画そのものの成績も驚異的です。

  • Netflix歴代最多視聴映画に登場
  • 北米ボックスオフィス1位

累積視聴時間は約5億3,000万時間で、2021年公開の『Red Notice』(約4億6,400万時間)をわずか10週で超えました。
OTT中心に移行した映画鑑賞トレンドの中で、Netflixランキングは劇場動員に匹敵する指標となっており、ケデハンは一過性の話題性ではなく持続的な魅力を示し、長期的なヒットの可能性を証明しました。

韓国でも大人気

(1) エバーランドとの大型コラボ

エバーランドに「K-POP DEMON HUNTERS」テーマゾーンが9月26日にオープンします。人気キャラクター「HUNTRIX」や「Lion Boys」に会えるほか、Kフードやフォトゾーン、ミッションゲームなど多彩な体験が用意されています。

(2) MU:DSグッズ完売騒動 🛍️

国立中央博物館のグッズブランド「MU:DS」では、ケデハンに登場するキャラクターに似ていると噂の「虎のダッフィー」記念品が発売直後わずか10分で完売。オンラインでも完売行進が続き、ファンの熱量を実感できます。

(3) スクリーンから現実へ ― 韓国旅行ブーム 🌐

作品に登場する韓国の場所が新たな観光名所として浮上しています。特に「韓国の銭湯文化(セシン体験)」を目当てに訪韓する観光客が急増。



Google検索でも「Korea」の検索量が急増し、訪韓トレンドを変えるほどの影響を与えています。

検索キーワードの前年比上昇率:

  • 「韓国 銭湯」:300%増
  • 「ソウル 旅行」:200%増
  • 「K-Food Experience」:150%増

また関連検索語の52.4%が韓国の特定の場所であることが分かり、その中でも北村(11.8%)、駱山公園(9.6%)、オリンピック主競技場(9.6%)など、実際のロケ地に対する検索割合が高いことが明らかになりました。

ケデハン、果たしてオスカー受賞なるか?

最近はアカデミー賞の有力候補としても取り上げられています。予想される部門は「長編アニメ映画賞」と「オリジナル歌曲賞」の2つで、特に『Golden』は有力視されています。
さらに2025 MTV VMAsやKWDA(K-World Dream Awards)にもノミネートされており、受賞の行方に注目が集まっています。

ケデハン 、「超国家的コラボレーション」の成功

(1) アニメーション制作の新しい流れ

ケデハンは韓国の「K-POP」を題材に、アメリカ資本(Netflix)と日本企業(ソニー・ピクチャーズ・アニメーション)が制作した作品です。
これは従来の制作方式を超え、各国の文化資産と技術力を結合する「超国家的コラボレーション」という新たな成功モデルを示しました。

(2) K-POPの新たなビジネスモデル

K-POPは単なる音楽ジャンルに留まらず、アニメIP・観光・グッズへと拡張できることを証明しました。
特にバーチャルガールズグループ「HUNTRIX」がOSTでビルボード1位を獲得したのは前例がなく、K-POP産業におけるバーチャルアイドル事業の可能性を切り開きました。

まとめ

ケデハンは韓国にとって非常に意味のある作品です。韓国が直接制作したわけではなくても、文化やK-POPという「素材提供国」として世界市場に影響力を示せることを証明しました。
今後この流れは韓国コンテンツの海外戦略だけでなく、世界のアニメ・映画制作の在り方においても重要な参考事例となるでしょう。

次回はケデハンと、よく名前が挙がる『アナと雪の女王』を比べながら、その人気の秘密に迫ってみたいと思います!