
おすすめ度: ★★★ (★5つ中)
※ 少しばかりネタバレが含まれています。映画をすでに視聴された方、または内容を事前に知っていても大丈夫な方のみお読みくださいね!
- 🍁 映画『カマキリ』基本情報
- 🎬 [『カマキリ』あらすじ
- 登場人物(俳優&日本語吹替)
- ⭐ 特別出演
- ⭐ 評点と評価
- ⭐ 評点と評価
- 👍 個人的な感想 ― ポジティブな点
- 🦗 イム・シワン(カマキリ役)
- 🌙 パク・ギュヨン(ジェイ役)
- 🍂 チョ・ウジン(トッコ役)
- 👎 個人的な感想 ― ネガティブな点
- 📝まとめ
Netflix映画『カマキリ』は公開前から大きな注目を集めていました。

その理由は、人気作『キル・ボクスン』のスピンオフであること、そして主演にイム・シワンが起用されたことです。期待値は非常に高く、多くの視聴者が公開を心待ちにしていました。
しかし、いざ公開されると評価は真っ二つ。
「斬新で面白い」という声がある一方で、「期待外れだった」という意見も少なくありません。
今回の記事では、なぜ『カマキリ』がここまで賛否両論を呼んだのかを整理し、その理由を分析していきたいと思います。
🎬 [『カマキリ』あらすじ

『キル・ボクスン』によって暗殺業界のトップに君臨していたMKエンターテインメントが崩壊し、すべてのルールが失われてしまう。長い休暇を経て復帰したA級キラー「カマキリ」は突然居場所を失い、かつての同期でありライバルのジェイを訪ねる。
ジェイは彼に会社を立ち上げるよう勧める。一方、引退した伝説のキラー「トッコ」がMKエンターテインメントの会長に就任し、カマキリに復帰を勧めるが、最終的に彼はジェイと共に「カマキリ・カンパニー」を設立する。
だが経営は思った以上に困難で、ジェイとの対立も深まるばかり。カマキリ、トッコ、そしてジェイ――業界の頂点をめぐる熾烈なアクションが始まる。
登場人物(俳優&日本語吹替)
(1)カマキリ(イム・シワン、増田俊樹)

本名イ・ハヌル。暗殺会社MKエンターテインメント所属のA級キラー。会社が崩壊した後、ジェイと共に新しい会社「カマキリ・カンパニー」を立ち上げるが、彼女の裏切りによりどん底へと突き落とされる。それでも常に彼女を見守り、トッコとの関係を修復しようとするが、状況は悪化する一方である。
(2)シン・ジェイ(パク・ギュヨン、白石晴香)

カマキリとはMKエンターテインメントの練習生時代からの同期で、長年の友人でありライバル。高い実力を持つが、常に自分の上にいるカマキリに劣等感を抱いている。チャ・ミンギュが死に、MKが崩壊した今、業界の頂点に立つためカマキリを裏切る。
(3)トッコ(チョ・ウジン、坂口周平)

キラー界の伝説であり、一度は引退したが再び復帰。冷徹かつカリスマ性あふれる性格で、カマキリの師匠でもある。なぜ引退したのかは不明だが、カマキリとジェイの関係に自分とチャ・ミンギュの関係を重ね合わせ、カマキリにジェイから離れるよう忠告する。チャ・ミンギュの死後、MKエンターテインメントの会長に就任する。
(4)ベンジャミン・チョ(チェ・ヒョヌク、梶裕貴)

ゲーム会社「メタ・ソフトウェア」の若きCEOで、暗殺業界に強い関心を持つ投資家。ジェイの劣等感を見抜き、それを利用して自らの野望を実現しようとする。
(5)ヤン・スミン(ペ・ガンヒ、猪野真悠)

カマキリ・カンパニーの義理堅い末っ子キラー。イ・ハヌルがシン・ジェイに敗北し、暗殺業界で転落した時も疑いを持たず、最後まで彼の側に残った忠義者。
⭐ 特別出演
(1) クァンチョン/ピチョン(ヤン・ドングン)
所属会社を持たない独立系の「無職」双子キラー兄弟。業界全体に自分たちのルールを押し付けるMKエンターテインメントとチャ・ミンギュに強い不満を抱いている。しかし挑戦するには実力差が大きすぎることを自覚しており、最終的にカマキリに殺される。
(2)チャ・ミンギュ(ソル・ギョング、郷田ほづみ)

『キル・ボクスン』の所属会社であるMKエンターテインメントの代表。ボクスンの才能を見抜き、無敵のキラーへと育て上げた師匠である。しかし全てを奪いかねない彼女の力に恐怖を抱き、関係が悪化、やがて死を迎える。
(3)キル・ボクスン(チョン・ドヨン、山崎美樹)

A級キラーであり、10代の娘を持つシングルマザー。会社から命じられた「作品」を100%成功させる伝説的存在だが、ある事件をきっかけにMKエンターテインメントを崩壊させてしまう。
⭐ 評点と評価

- IMDb:5.4/10
- WATCHA PEDIA:2.2/5.0
- NAVER映画:3.82/10
- 公開翌日には韓国と日本でNetflix映画部門1位を獲得。
さらにアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダなどでもTOP10入り。
9月29日時点のFlixPatrolワールドランキングでは3位を記録しました。
『カマキリ』はユニークな設定とスタイルで注目を集めた一方、惜しい部分も多く、評価が分かれている作品です。
⭐ 評点と評価
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IMDb:5.4/10
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WATCHA PEDIA:2.2/5.0
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NAVER映画:3.82/10
- 公開翌日には韓国と日本でNetflix映画部門1位を獲得。
- さらにアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダなどでもTOP10入り。
9月29日時点のFlixPatrolワールドランキングでは3位を記録しました。
『カマキリ』はユニークな設定とスタイルで注目を集めた一方、惜しい部分も多く、評価が分かれている作品です。
👍 個人的な感想 ― ポジティブな点
(1) 俳優たちの熱演
本作において、イム・シワン、パク・ギュヨン、チョ・ウジンの演技を批判する声はほとんどないでしょう。
🦗 イム・シワン(カマキリ役)
これまで演じてきたキャラクターの中でも最も愉快でありながら残忍で、カリスマ性に満ちた役柄を披露。
普段は飄々とした姿をコミカルに見せつつ、キラーとしてのカマキリでは眼差しだけで観客を圧倒しました。
🌙 パク・ギュヨン(ジェイ役)
愛憎入り混じる複雑な感情を見事に表現。
カマキリに対しては愛情と嫉妬を、トッコに対しては憧れと憎しみを絶妙に描きました。
期待に十分応えてくれる演技で存在感を放ちました。
🍂 チョ・ウジン(トッコ役)
腹の内を隠した「老獪さ」を完璧に表現。
抑制された口調や表情、所作で業界トップの貫禄を示し、まさに「老獪な親方」という印象を残しました。
(2) 芸術へと昇華したアクション

『カマキリ』は武侠的な雰囲気を活かしたダイナミックで洗練されたアクションが高評価を得ました。俳優陣がハードなアクショントレーニングをこなし、多彩な武器や体術を駆使した緻密なアクションシーンは圧巻です。
特にイム・シワンの二刀鎌さばき、パク・ギュヨンやチョ・ウジンがキャラクターに合わせて披露する武術は、リアリティと迫力を倍増させました。

単なる肉弾戦にとどまらず、キャラクターの心理や感情がアクションに反映されている点も大きな強みで、観る者に強い印象を残します。
(3) 『キル・ボクスン』とのつながり

スピンオフである本作の大きな特徴は、『キル・ボクスン』との関連性にあります。
チャ・ミンギュやキル・ボクスン本人が直接登場し、前作の映像が自然に挿入されることで、二つの作品の世界観がより強固につながりました。
既存のファンにとっては馴染みのある世界を拡張する楽しみがあり、新規の視聴者にとっても背景理解を助ける仕掛けになっています。
こうした世界観の共有や人物関係は、物語の厚みと没入感を高める要素となり、ファン同士で伏線を探る楽しみを広げました。
👎 個人的な感想 ― ネガティブな点
(1) 弱まったカマキリの存在感

タイトルにもなっている「カマキリ」は、当然ながら世界観の最強者として描かれるべき存在です。しかし実際の劇中での活躍は期待ほど多くなく、ほとんどがジェイのために犠牲になるシーンに集約されてしまいました。
ジェイの物語が厚みを持って展開された分、カマキリ自身のストーリーは影が薄くなり、多くの観客が「最強者ならもっと物語の中心で役割を果たしてほしい」と感じたのではないでしょうか。
(2) キャラクター心理と感情線の不足

観客から最も多く指摘されたのは、登場人物の心理描写と感情の流れが十分に描かれていない点です。
特にカマキリとジェイの内面の葛藤や変化が浅く、感情移入が難しい構成になっていました。ジェイがカマキリに劣等感を抱いていることは分かりますが、その他の複雑な感情はほとんど第三者の台詞で簡潔に語られるにとどまり、行動に説得力が欠けています。

また、トッコとの師弟関係においても、ジェイをきっかけに関係が急に悪化する展開は唐突で、没入感を損なっていました。この問題はトッコとジェイの関係が変化していく場面でも繰り返されていました。
(3) 『キル・ボクスン』とのつながりの弱さ

皮肉なことに、前作『キル・ボクスン』を愛するファンにとっては劇中で彼女を探す楽しみがありましたが、新規視聴者には不親切に映り、批判の対象となりました。
主役のキル・ボクスンやチャ・ミンギュは確かに登場しますが、これが逆に弱点となったのです。
暗殺者のルール、キル・ボクスンとチャ・ミンギュの存在感、MKエンターテインメントの役割(まるでアイドル事務所のように暗殺者を育成する構造)といった重要な要素が十分に描かれませんでした。

その結果、前作のキャラクターと本作の中心であるカマキリたちが有機的に結びつかず、別々に動いているような違和感が生じてしまいました。
ファンサービスであるはずの仕掛けが、全体の物語展開を弱めてしまったのです。
📝まとめ

結論として『カマキリ』は、優れた演技力とスタイリッシュな演出で確かな強みを持つ作品ですが、物語の完成度やキャラクター描写においては賛否が分かれる映画です。
イム・シワンの存在によって大きな注目を集め、映像美やアクションを楽しみたい人には十分満足できる内容ですが、ストーリーの深みやキャラクターの掘り下げを重視する観客には物足りなさが残るかもしれません。
皆さんはこの作品をどうご覧になりましたか?
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