머글 : モグル
韓国では、俳優、アイドル、漫画、キャラクターなどを熱烈に支持し、積極的に参加するファンの集団を「ファンダム(팬덤、Fandom)」と呼びます。英語の「ファン(fan)」に「状態、地位、領土」を意味する接尾辞「ダム(-dom)」をつけた新造語で、K-POPアイドル1世代(1994~1998年)にできた言葉です。
ところで最近、ファンダムサイトで「머글은~」、「머글들과~」、「머글한테~」など「머글(モグル)」という言葉が目につきます。
「えっ、モグル? ハリー・ポッターに登場するあのマグル(Muggle)のこと?」
そうです。マグルの韓国語の発音では「モグル」です。イギリスの作家ジョーン・ローリングの小説「ハリー・ポッター」には魔法使いが使う言葉で、魔法を持たない普通の人間を指していますね。これは、魔法使いが自分たちが魔法使いであることを秘密にしながら、一般人を呼ぶ丁寧な表現でした。
ところが最近、K-POPファンの間で「モグル」という言葉が登場したのです。では、彼らが使う「モグル」とは何なのでしょうか?それは「ファン」ではなく「一般人」を指す隠語です。
ところでここで疑問が生じます。もし私がBTSが好きで友達がseventeenが好きなら、BTSファンが考える友達はモグルなのでしょうか?
同じ分野が好きならその人は「~のファン」と呼ぶのであってモグルとは言いません。つまり、モグルはその分野に「何の興味もない人」を指す言葉です。またライトなファンに対してモグルと呼ぶこともありますが、個人の基準によって違うようです。
머글(モグル)はファンが「所属感」や「きずな」を感じ、特定の分野に関する知識や情報を持っていることに「特別感」を与えたいという心理から使われ始めたのではないでしょうか。
最後に似たような言葉には「갓반인(ガッバンイン)」、「킹반인(キングバンイン)」などがあります。「ガッバンイン」は英語の「神」を意味する「god」と韓国語の「一般人」が合わさった言葉で、「キングバンイン」も英語の「king」と韓国語の「一般人」が合わさった言葉です。ただし、この2つの単語は卑下の意味を含んでいるので、使わない方が良いでしょう。