2024年上半期に韓国で流行したミーム、「ウォニョン的思考(원영적 사고)」に続き、第二弾をご紹介します。
NH農協銀行ミーム
正確には「ノムフイェプ銀行」ミームとして知られていますが、このミームはなんと2010年に流行ったものです。
始まりはあるユーザーのエピソードから始まります。
コンビニでアルバイトをしている知人のことですが、大声で歌いながら入ってくる外国人客がいたので、面白くて録音を始めたそう。
ところが、突然その外国人が彼女に「너무 예쁘네(ノムイェプネ/きれいだね」と言ったので、「面倒くさい」と思いながらもお客さんだから猫を被ったらしい。
だが、その外国人はあきらめず「きれいだね、きれいだね、きれいだね、知らないの?」 と連発していたので、あまりにもうるさいと思ったそう。
しかし、何かおかしいのでよく聞いてみると、「きれいだね」ではなく、「NH農協銀行」がどこにあるかを聞いていた
というエピソードでした。
これは不正確な発音とかで聞き間違えたとき、自分の母国語のように聞こえる「モンデグリーン」(mondegreen)現象によるエピソードです。
モンデグリーン(英語:mondegreen)は、
新しい意味を与える、近似的な同音異義の結果としての、フレーズの聞き間違い、ないし誤解である。たいてい、詩や歌を聴いている人が作成する。<出典:ウィキペディア>
このエピソードで歌手EZUZが2023年12月、NH農協銀行をはじめ、中小企業銀行(韓国では企業銀行と呼ばれています)、 KB国民銀行など様々な銀行の名前を入れて「銀行名でフラーティング(flirting)ができる? #이짜나언짜나」というタイトルでアップロードします。
ちなみにフラーティングの意味は、好きな人に興味を持っていることを伝える行為を意味します。
NH農協銀行(농협은행):きれいすぎる
企業銀行(기업은행):かわいいね
KB国民銀行(국민은행) : 悩んでる
DGB銀行(대구은행) : 退勤して
SBJ銀行(신한은행) : ワクワクするね
そしてこれがショートパンツ、Instagram Reels、TikTokなどを通じて「銀行フラーティング」または「 NH農協銀行ミーム」という名前でチャレンジし始め、2024年に有名なミームになりました。
NH農協銀行も俳優のハン・ソヒを起用して「みんながキレイになる銀行、NH農協銀行」の広告を撮影し、ミームを積極的に活用しました。